外部連携で挑む女子校の魅力再定義 ー 女子校の特性を活かしたコミュニケーション総量の最大化と放課後のデザイン ー | 株式会社トモノカイ

導入事例

外部連携で挑む女子校の魅力再定義 ー 女子校の特性を活かしたコミュニケーション総量の最大化と放課後のデザイン ー

「敬信愛」を建学の精神に掲げ、「1人で勉強しない」という独自の学習風土を大切にしてきた大阪薫英女学院中学校・高等学校。コロナ禍によるコミュニケーションの分断や女子校を取り巻く環境変化という逆風の中、同校は自らの強みを見つめ直し、トモノカイとの協働による放課後学習環境の改革へと舵を切りました。

放課後学習環境の再設計から女子校の魅力の再定義まで、その経緯や考え方について同校の教頭篠原先生にお話を伺いました。

「英語」と「1人で勉強しない学習風土」が強みの薫英

―― まず、貴校の教育理念と特徴について教えてください。

大阪府摂津市に位置する本校は1931年に設立され、「人を敬い、信じ合い、愛を持って支え合う」という意味を持つ「敬信愛」を建学の精神として掲げています。

本校には、古くから「英語の薫英」というスローガンがあり、1988年に開始した「カナダ長期留学制度」やニュージーランドへの1年間の長期留学が、本校の教育の大きな柱の一つです。実際に国際科の生徒は、50校以上の姉妹校へ留学します。また、普通科の生徒でも短期留学に行くことができるため、全校生徒が海外で学ぶチャンスを持っている点が本校の強みです。

英語教育に力を入れる一方で、もう一つ大事にしているのが「1人で勉強しない」という言葉です。これは、「1人だけで勉強させるのではなく、みんなで一緒に支え合って勉強しよう」という、本校ならではの温かい学習風土を表すものです。
その土台になっているのが、4月に開催される体育祭です。運動能力を競うためではなく、クラスの団結を促し、生徒同士が仲良くなることを目的としているため、あえて4月に行っています。さまざまな話し合いやぶつかり合いを通じて早い時期から深い人間関係が築かれ、結果として生徒同士がコミュニケーションを取りやすくなります。



これにより、授業中も活発に発言できる楽しい空間が生まれ、国語や英語といった教科の成績向上にも繋がっています。
実際に、本校の英検取得実績としては、英語が苦手な状態で入学した生徒も含め、高校卒業までに92%が英検2級以上に合格しています。

また、本校は進路実現に向けたサポート体制も充実しています。放課後の時間を活用し、外部の講師が教える講座と、本校の教員が教える講座の2コマをすべて校内で開設しています。校内で学習を完結させるメリットとして、「女子生徒の体力面への配慮」があります。予備校などに通う移動時間を抑え、学校という安心できる環境の中で集中して勉強しきることが受験に打ち勝つことに繋がると考えています。



奪われた対話空間と「学校の魅力」の再定義

―― 放課後学習環境の再設計前に直面していた課題と、学習メンター®プログラムを導入した経緯について教えてください。

本校は独自の文化と手厚いサポートによって、生徒の成長を支えてきました。
しかし、2019年から2020年頃にかけての新型コロナウイルス感染拡大により、状況が一変します。本校最大の魅力であり生徒の学力も支えていた「生徒同士が自由にコミュニケーションを取り合う環境」が奪われ、学習に対するモチベーションを維持するのが難しいという大きな課題に直面したのです。同時に、社会全体で共学志向が高まり、その中で女子校の魅力をどのように再定義し、どう打ち出していくかが私たちにとって急務となっていました。

このような課題を抱える中で出会ったのが、トモノカイの学習メンター®プログラムでした。説明を受けた後、既に学習メンター®プログラムを導入していた千葉県の光英VERITAS中高様を見学させていただきました。
光英VERITAS中高様は共学化を機に学校改革を進めていらっしゃいました。本校は共学化を考えていないものの、厳しい環境下において、「背水の陣なのでレベルアップを図る必要がある」という点では全く同じ状況でした。

また、光英VERITAS中高様がトモノカイに決めた理由として、費用対効果の高さや企業理念が明確で学校側の視点と非常に近かったこと、そして、学習メンター®の学力や人柄の質が高いことも挙げられていました。本校は女子校という特性上、外部の人材を入れることへの懸念が当初ありましたが、信頼できる企業とその人材という安心感が後押しとなりました。

他にも、「教員の働き方改革の推進」や「新たな変化を取り入れることによる教員のモチベーション向上」、「面倒見の良い学校というブランドイメージの確立」といったメリットを感じたことから、放課後教育の全体設計の要として、トモノカイのプログラム導入を決断したのです。

学習メンター®のいる自習室が「学校の当たり前」に

―― 学習メンター®プログラムを導入してからの変化について教えてください。

導入当初の最大の目標は、まずは一人でも多くの生徒に自習室を使ってもらうことでした。
そのため、「生徒の自学自習の力を引き出すこと」をコンセプトに、定期的にイベントを開催することで、進路選択の視野を広げたり、日々の学習に役立つ知識やスキルを身につけさせたりして、自習室の利用促進を目指しました。質問やおしゃべりが可能な「メンター自習室」は1年目から非常に活気があり、今でもよく生徒同士や生徒とメンターが楽しそうに話しながら勉強しています。



導入から5年目の現在では、目的や生徒のニーズに合ったイベントや施策をトモノカイと連携しながらカスタマイズして実施しています。例えば、教科教員と連携をして数学に特化した自習グループ「数学クラブ」を作って一緒に学び合えるような施策をしたり、難関校志望の生徒に手厚いサポートができるよう、専属メンターとして伴走する「パーソナルメンター」制度を開始したりしました。さらには、中学校の探究学習でドローン撮影をして学校紹介のショートビデオを制作したり、Instagramで学習メンター®の自習室を紹介する動画を発信するなど、自習室という枠を超えトモノカイとの連携が深まっています。

1年目は一時的な盛り上がりを見せた後、少し飽きられてしまい。利用者が減少する時期がありました。しかし、導入から3年目、4年目と年を追うごとに、利用者が着実に増え続けています。また、数学クラブの事例のように、学年やクラス、各教科の教員との連携数も年々右肩上がりで増加しています。

特筆すべき成果は、この放課後学習の仕組みが「学校の当たり前」として定着したことです。導入の2年目からは、入学前のオープンキャンパスでも学習メンター®に参加してもらい、勉強のアドバイスを行うようにしました。これにより、入学前から自習室の存在を理解している生徒が増え、利用者の増加に繋がっています。



保護者の意識にも変化が見られ、自習室に通わせたいと考える方が増えました。現在では、メンター通信の発行が1日遅れただけで、ご家庭から問い合わせが来るほど期待を集めています。教員側の変化も大きく、トモノカイ様の存在が当たり前となった結果、自ら連携を模索する教員が多数現れました。

さらに、学校自体の文化を変えるという大きな変化も生み出しています。本校は中高一貫校であり、中学校の下校時間は午後5時半と厳格に定められていました。しかし2026年度の初めに、中学校の主任が利用者のニーズに応え、トモノカイのプログラムを利用する時だけは午後6時までの下校を許可するというルール変更を行いました。外部との連携が、学校の文化を少しずつ変えていく大きな原動力になっていることを実感しています。

外部パートナーとの協働で最大化する自校独自の魅力

―― 先生の考える「女子校における自習室の存在意義」とは何でしょうか?

実は2014年に、「文理特進コース」の立ち上げをきっかけに初めて「自習室」を設置し、1年後には本格的なブース型の特習自習室を校内に新設してもらいました。当時はルールを極めて厳しく設定し、自習室を管理していました。結果として、毎日利用する生徒が4、5名ほど定着しましたが、ずっと心の中で「何かが違う」と感じていました。
なぜなら、その自習室の取り組みが「学校全体の学習文化や、生徒全員への効果」として広がっていかなかったからです。
当時はまだ教頭ではなかったため、学校全体のことまで深く考える余裕はありませんでしたが、教頭に就任し、トモノカイとの出会いを通じて、女子校らしい自習室が必要だとあらためて考えました。

本校の生徒の最大の強みは「コミュニケーションが活発である」という点です。
そうであれば、その強みを無理に抑え込むのではなく、「おしゃべりをして教え合える、よく喋る自習室」こそが、本校の生徒たちにとって最も学習効果が高く、自習室に向かうハードルを下げる理想の環境なのではないかと考え、自習室の役割を再定義しました。「1人で勉強しない」という学校のスローガンを「1人で自習しない」と考え、 「みんなで一緒に、連帯感を持って楽しく学ぶ場所」として自習室を生まれ変わらせたのです。

「学校が元々持っている強みや独自の風土」と、「外部パートナーが提供するリソースや価値」の「重なり合う部分」から、その学校にしかない独自の新しい価値を発見し、磨き上げていくことこそが、学校改革において重要であると考えます。本校にとっては、それが「学習メンターのいる自習室」や「探究活動」でした。



―― 最後に、今後の展望についてお聞かせください。


今後の展望として、自習室をきっかけに学校全体をさらに変革していく方針です。コミュニケーションの総量を最大化することで、放課後をデザインしていくことを目指しています。
そして、トモノカイを活用する価値を「発見」する段階から、「創出」する段階へ進みたいと考えています。また、新しいアイデアを生み出し実行するため、若手教員や学習メンターの育成に力を入れ、より体制を強化していきたいです。

これからも焦らず丁寧に、しかし連携は迅速に行う姿勢を大切にし、よりよい教育環境の実現に向けて歩みを進めてまいります。



外部パートナーとの協働は、単なる業務や役割の切り出しではなく、学校固有の文化と深く交わることで、その学校にしかない独自の新しい価値を生み出すきっかけとなります。
「1人で勉強しない」「活発なコミュニケーションが行われる」という同校やその生徒の魅力は、学習メンター®プログラムを導入したことにより、より最大化することができました。

私たちトモノカイはこれからも、学校の新たな価値を支える「学びの伴走者」であり続けられるよう、今後も誠心誠意サポートしてまいります。

(取材日:2026年7月22日)

一覧を見る

生徒に主体的な
学びと楽しさを提供し
学校と共に未来を築きます

お問い合わせはこちら